業者えらびに頭を悩ませ、ようやく外壁塗装を契約。
見違えるようにキレイになった我が家を想像すると、おもわず笑みがこぼれますよね。
いよいよ外壁塗装の工事開始!まずは足場の設置。
その次の工程は多くの場合が高圧洗浄となります。
高圧洗浄は外壁、屋根、付帯部などの塗装面に塗料が密着しやすいように行う重要な作業。
ホコリや汚れ、古い塗膜などを除去する塗装前の下地処理に位置づけられるのが高圧洗浄。
高圧洗浄があまりに適当であったり、もしくは全く行わない場合、塗料の密着性は著しく低下ことに。
場合によっては数年で塗装した部分がはがれてくることも。
まれな例ですが、その可能性は0%ではありません。
そんな高圧洗浄が「あっという間におわってしまった!」
あなたが不安におもうのも当然。
わたしは、これまで300棟以上の住まいの高圧洗浄をしてきました。
その中には高圧洗浄作業が2時間くらいでおわった建物も実際にあります。
建物の大きさや状況などで、短時間でおわる場合も少なからずあるので、それが手抜き工事だと断定するのは、まだ早いかもしれません。
この記事では一般的な30坪程度の戸建てを例に高圧洗浄にかかる時間について解説しています。
外壁塗装工事の高圧洗浄が2時間で終わったけど手抜きじゃないの?
高圧洗浄作業にかかる時間は建物の大きさや形などで前後します。
2~3時間という短時間で高圧洗浄がおわってしまって不安だと思いますが、このような状況がないわけではありません。
高圧洗浄が短時間でおわる可能性がある状況とは
このような状況が重なる場合、高圧洗浄が短時間でおわることがあります。
この他にも職人が数人きて、高圧洗浄機を複数台つかって作業を行えば早く終るのですが、一般住宅では、あまりない例。
それでは、高圧洗浄が早くおわる状況を順を追って解説してきます。
外壁が下見板の場合の高圧洗浄
あまり見かけることが少なくなった下見板の外壁。
下見板とは木の板を張った外壁。
このような木材の外壁は、高圧で洗浄すると外壁材をいためる可能もあるため、通常より圧をおとし、ホコリや汚れを洗い流す程度の作業になることがあります。
外壁が下見板の場合、状況によっては高圧洗浄が短時間でおわる事もあります。
あなたの住まいの外壁は? 簡単!外壁の種類の見分け方!戸建ての90%を占める外壁材とは!?
住まいにベランダがないタイプの高圧洗浄は時間がかからない。
サイディングの住宅では多くの場合ベランダの床はFRP防水。
FRP防水で施工されたベランダ床も外壁塗装のさいに一緒にメンテナンスをするのが通常。
ベランダは長年の汚れが蓄積しているので高圧洗浄に手間がかかります。
ベランダの排水が洗浄においつかない事も手間がかかる原因のひとつ。
あまり多い例ではないのですが、サイディングの住宅でもベランダのない建物があります。
このような場合はベランダを洗浄する時間の分だけ高圧洗浄の時間が短縮されます。
玄関アプローチが短い場合の高圧洗浄
高圧洗浄の際には塗装箇所だけでなく、見積にははいっていないところもサービスで洗浄します。これは業者や職人によってちがいます。
玄関アプローチも洗浄が可能であれば、せっかくなので一緒に洗浄して汚れを落としておきます。
門から玄関までが離れている場合、このアプローチ部分を洗浄するのに手間がかかることがあります。
工事費用には入っていない事がほとんどですが、やはりついでに洗っておきたいというのが職人の心情。
ブロックやコンクリート塀の面積が少ない場合の高圧洗浄
外壁塗装の際に塀も塗装する場合、高圧洗浄を行う必要があります。
塀は道路に面していることがほとんどなので、車や歩行者にきを使いながらの作業になります。
また塀が塗装仕上げでない場合も汚れていれば、気の利く業者は洗浄してくれるでしょう。
塀の面積が多いと当然、洗浄に時間がかかります。
逆にこのような塀がなければ、高圧洗浄が短時間でおわる可能性もあるでしょう。
屋根塗装はおこなわない場合は高圧洗浄にかかる時間は短い
屋根塗装を行う場合、屋根のよごれも高圧洗浄で落とします。
屋根の高圧洗浄には時間がかかります。屋根と外壁の高圧洗浄となると2時間ではとても終わりません。
屋根をしっかり洗浄する必要がなく、サッとあらい流す程度で済む場合、高圧洗浄が2~3時間でおわる場合もあります。
和瓦、洋瓦などは塗装しない事が多いので、屋根洗浄は高圧洗浄の面積に入っていない事がよくあります。
そのため高圧洗浄もしないケースが多くいので、瓦屋根の建物の場合、短時間でおわることも。
屋根も合わせてお得! プロ直伝!屋根塗装の相場とは!?スレート(コロニアル)編!
屋根の高圧洗浄は必要!? プロ直伝!屋根塗装 の工程 !スレート屋根の塗装方法!
外壁の塗膜がまだしっかりしている
外壁の劣化状態によっては高圧洗浄が短時間で終わる場合もあります。
外壁につやがあるような状態であれば、汚れもわりと簡単に落とすことができます。
しかしながら、多くの場合は外壁塗装の時期である10年目を迎える頃には、塗膜は劣化状態に。
10年周期に意味はある? 【プロ目線】外壁塗装が10年はホント?10年には理由がある!
塗膜の劣化状態の代表的なものがチョーキング現象。
外壁をさわると白い粉が手につくことがありますが、これは塗料の劣化現象。
手につく白い粉の正体! 外壁チョーキング現象!外壁をさわると手につく白い粉の正体!
屋根だけでも高圧洗浄は2時間かかる
外壁塗装と一緒に屋根も塗装することで足場費用が2重にかからずお得。
屋根塗装も依頼しているのであれば、屋根のよごれも高圧洗浄で落としていきます。
チョーキング屋根を洗浄する場合、特に近隣への汚水の飛散に気をつける必要があります。
飛散しないようにブルーシートやビニール養生で対策をするだけでも結構時間がかかります。
このような事から屋根塗装と外壁塗装を一緒に行う場合、高圧洗浄が2時間程度でおわる事はまずないと思っていいでしょう。
屋根っていつ塗るの? 手抜きは許さない!必見!これがプロの外壁塗装の作業工程だ!
屋根もキレイに! プロ直伝!トタン屋根の塗装がわかる!塗装費用の相場と工程!
外壁塗装における高圧洗浄の必要性、重要性をプロが解説!
高圧洗浄が短時間でおわった事が不安なあなたは高圧洗浄の必要性について理解されていると思います。
ここでは復習の意味をこめて、プロのわたしから外壁塗装の際の高圧洗浄の必要性について伝えさせてください。
高圧洗浄を行う理由は「塗料の密着性」
これにつきます。
塗料は塗装面がホコリなどで汚れていると密着性が悪くなるので、すぐにはがれてしまう原因に。
外壁塗装の際に、はがれてかかっている旧塗膜をはがしてみると、土ぼこりの上から塗装されているような事もあります。
はがれの原因は塗装面の汚れだけとは限らないのですが、高圧洗浄を行うことで塗料が剥がれるリスクは大幅に軽減。
一度塗れば一生大丈夫!というような塗料は存在せず、かならず塗料は劣化します。
その劣化状況で一番わかりやすいのが「チョーキング現象」
チョーキング現象とは、塗料が劣化して白い粉上になった状態。
チョーキング現象って!? 外壁にチョーキング現象!チョーキングはDIY補修できる??
この白い粉は、さきほどの土埃の例と同じように、除去しないまま塗装をすると密着性が低下。外壁の塗料がはがれるというのは、よほどのことですが、洗浄をしないまま塗装すると、はがれの可能性は高まります。
高圧洗浄が必要な理由は塗料の密着性の向上。大切な塗装前の下地処理なのです。
外壁を洗浄する際に、サッシや窓、網戸などの汚れも洗い流します。
このような塗装面以外を洗浄するのには、もちろんついでにキレイにしてあげたい、外壁の汚水が窓に付着するので流しておく。
などの意味合いはもちろんありますが、塗装職人の立場からすると「養生テープがしっかりサッシに密着する」というメリットも高圧洗浄にはあるのです。
養生テープがしっかりサッシなどに付けば、塗装が養生内に入り込むのをふせぐ事ができます。
下塗が重要! 外壁塗装で下塗りが必要な3つの理由!プロが語る下塗りの重要性!
外壁塗装の悪徳業者はそもそも高圧洗浄をしない!?
これは論外なのですが、そもそも高圧洗浄をしないという塗装業者もいます。
「高圧洗浄の日に出先から帰宅したら、もう外壁を塗りはじめていた!」
ウソのような話なのですが、実際にこのような業者が存在するので、業者えらびは慎重に行う必要があります。
これがすべて! プロ直伝!外壁塗装の業者の選び方!業者選びが成功のすべて!?
このような業者は、下請け業者であなたが支払う費用の3分の1程度の金額で請け負っているこもあります。
下請けの塗装業者も、まともな作業をしていれば赤字になるので余計とおもわれる作業は一切しません。
「高圧洗浄をしない」というのはまれな例ですが、このような業者は、どの作業工程もいい加減なのは想像できますよね。
悪徳業者の手法については、下の記事にまとめてあるので目を通してください。
だまされるな! 【直伝!】外壁塗装!悪徳業者の特徴!あなたを守るプロの知識。
外壁塗装の失敗は業者選びで失敗している事がほとんど。
逆に業者えらびのコツさえ知っていれば外壁塗装は成功にかなり近づきます。
成功のカギ 外壁塗装の優良業者はどこにいる?プロが伝える業者選びのポイント
まとめ:外壁塗装の高圧洗浄が2時間でも手抜きとは限らない!
高圧洗浄は塗料の密着を良くするために行う作業
そんな高圧洗浄が2~3時間くらいの短時間で終わって不安だと思います。
「うちの高圧洗浄、あっという間におわったんだけど…」
住まいの状況によっては2時間くらいで終了するケースもあります。
そもそも外壁塗装時に高圧洗浄を行わないのは論外。担当者に理由をきいてください。
工事中は大変! 前もってプロが伝える外壁塗装の工事中に感じる9つのストレス