火災保険というと、住まいが火災にあった時だけでなく、さまざまな事故に対応しています。
それを利用して外壁塗装をお得に行うことができます。
これをご覧のあなたは「ほんとに火災保険で外壁塗装が安くなるの?」という情報をどこかで聞いたのではないでしょうか?
わたしは、これまで300棟以上の外壁塗装を自身の手で行ってきました。
その中のお客様には火災保険が適用になり外壁塗装をお得に行った方も…
火災保険で外壁塗装費用がお得に??ちょっと不思議ですよね?
お得になるのは本当です。
実際に多くの方がお得に外壁塗装の費用を抑えることに成功しています。
火災保険はつかえるなら、つかわないと損!
火災保険の知識を得ることで、あなたの人生がちょっと豊かになるはず。
この記事を最後までよんでいただくと、火災保険で外壁塗装が特になる理由と手順がわかります。
火災保険を使って一戸建ての外壁塗装はできるのか?
外壁塗装に火災保険が使えるってホント?
正確には、外壁塗装に火災保険は使えません
建物の塗装が色あせてきたり、コーキングが割れてきたりという経年劣化によるものは火災保険では、補償されません。
火災保険は自然災害などにより建物や家財が損傷した場合に保険会社から支払われるお見舞金。
たとえば、強風で屋根材や外壁材が飛ばされた場合など、修繕にかかる費用を請求することができます。
このような修繕工事において、足場設置が必要になる事が多く、その足場を他の工事に利用しても問題ありません。
雨樋や屋根の修繕用の足場をつかって、外壁塗装を行ったとしても、保険会社から注意をうける事はありません。
一般的な30坪程度の住宅の足場費用は15万円~20万円くらいになります。
足場っていくら?? 外壁塗装に足場が必要な理由。現役塗装職人が語る足場の相場と必要性
自然災害でおきた事故の修繕に足場が必要になる場合は、その足場を利用して外壁塗装を行う事で、足場費用分がお得になります。
外壁塗装で足場にかかる費用は塗装費用の15%~20%になるので、かなりお得といえるのではないでしょうか。
あなたの家を外壁塗装する場合の費用は、下の記事にまとめてあります。
外壁塗装っていくら!? 【直伝!】外壁塗装の相場!自宅の塗替え相場が5秒でわかる!
そもそも一戸建ての火災保険ってどんな保険??
火災保険とは、建物に対してかける保険。
大切な住まいが事故などで修理が必要になった場合、加入している保険会社より修繕費用などが補償されます。
火災保険というネーミングから火事に対応する保険と勘違いされている方も多いのですが、実は自然災害などによる建物の破損に利用できるのです。
お車をお持ちでしょうか?
お車を所有している方なら、自動車保険をイメージしてもらうと、火災保険の内容がわかりやすいです。
車両保険に入っていると、車が不慮の事故で修理が必要になったときに保険金が支払われます。
その際、保険の契約内容によっては、修理費用の一部を負担する免責金額を支払います。
火災保険は、この車両保険と同じような性格の保険です。
「火災保険」という漢字から火災被害だけに対応している保険と思われがちですが、実は住まいの多くの事故に対応しています。
「火災保険」ではなく「家災保険」と思えば、わかりやすいですね。
火災保険の免責金額について
「免責」とはその漢字から推測できるとおり「本来負うべき責任を免れる」という言う意味
火災保険を利用する際に、建物の修繕費の一部を自己負担額が「免責金額」
免責金額が多い契約内容ほど、火災保険料は安くなるようになっています。
・免責金額が5万円の場合
外壁や屋根が破損し、仮に50万円の修繕費用がかかるとすると、そのうち5万円は自己負担する必要があります。
修繕費用が免責金額以下になる場合、補償の対象外となります。
たとえば、免責金額が5万円で修繕費用が4万円の場合、保険金は支払われません。
(例)火災保険の免責金額が5万円の場合 | |
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被害額 |
受け取れる保険金
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4万円の場合 | 0円 |
10万円の場合 |
10万円(被害額)ー5万円(免責金額)=5万円
|
50万円場合 |
50万円(被害額)ー5万円(免責金額)=45万円
|
一戸建ての火災保険の種類
住まいで加入する火災保険には下の表のような種類があります。
火災保険の種類によって補償対象がきまっているので、あなたが契約中の火災保険を確認しておいてください。
住宅火災保険 | ・最もスタンダードな火災保険 ・火災、落雷、爆発、雪害、ひょう災などの損害に対応 |
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住宅総合保険 | ・住宅火災保険でカバーできない損害を補償 ・水漏れ、盗難、集団行動による被害など… |
オールリスクタイプ | ・住宅総合保険でも対応しきれない事故に対応 ・各保険会社によって、補償内容がことなる。 |
特約火災保険 | ・ローンにより購入した建物にローン完済まで加入する保険 |
住宅火災保険とは
もっとも一般的な定番といえる火災保険。
火災、落雷、破裂、爆発、強風、ひょう、雪などで建物が被害を受けた場合が保証対象。
破裂、爆発とは、ガスがもれている事に気づかず、コンロを点火して結果、爆発が起こって建物が被害をうけた場合など。
事故の際に被害をうけた家財に関しては補償対象外となているので、近年では、あるゆるリスクを想定した住宅総合保険が人気になっています。
住宅総合保険とは
住宅総合保険とは一般的な火災保険では補償されない事故に対応しています。
通常の火災保険では家財は補償されませんが、各保険会社の総合保険プランは建物の補償はもちろん、家財の補償もセットになっているものがほとんど。
家財とは、電化製品や家具などの事で、火災保険に加入している建物内の家財が被害にあった場合に補償金を受け取ることができます。
漏水、盗難、水災、衝突などの事故は、火災保険では対応できません。そのような幅広いリスクに対応しているのが住宅総合保険。
・オールリスクタイプとは、住宅総合保険よりさらに多くのリスクを想定した補償内容の火災保険。
火災保険で一戸建ての外壁塗装が安くなった事例
実際に火災保険を利用して外壁塗装工事を行った例を2つ紹介しておきます。
この2つの事例は火災保険を使って外壁塗装がお得になる代表的なもの。
大雪で住まいの雨樋が破損した!
わたしが外壁塗装の工事をてがけているのは主に東京多摩地区、埼玉南部。
この地域では数年に一度、雪遊びができるほどの大雪が降ります。
雪国の住まいとちがって、大雪に対する対策が十分とはいえない状況。
雪が降る地域には通常、屋根には積もった雪が一気に落下しないように屋根に雪止めという部材が設置してあります。
しかし雪の少ない地域では、この雪止めがつけられていない建物も。
雪止めがない屋根に雪が積もると、雪の重さが雨樋にかかってきます。その結果、雨樋が破損。
(つららの重さも雨樋破損の原因)
このような自然災害による雨樋の破損は火災保険の適用対象になります。
雨樋の修繕費用が火災保険で補償されると、外壁塗装をお得に行う事が可能に。
どうして雨樋の修繕費用で外壁塗装がお得になるの?
雨樋の修繕、交換には足場が必要になるからなんです。
さきほどもお伝えしましたが、外壁塗装を行うには必ず足場を設置する必要があります。
足場って絶対必要!? 外壁塗装に足場が必要な理由。現役塗装職人が語る足場の相場と必要性
火災保険で雨樋を修繕するために設置した足場を利用して外壁塗装を行えば、足場費用の分がお得に。
雨樋を修繕する足場を外壁塗装など他の工事に利用しても保険会社から注意されることはないので安心してください。
もっというと、火災保険で支払われたお金は何に使ってもかまわないのです。
強風で自宅の屋根材が吹き飛ばされた!
強風で瓦やスレート屋根材が飛ばされることがあります。このような事故も火災保険の補償対象。
強風時の事故で多いのがスレート屋根材の一部である棟板金がとばされるケース。
棟板金とは、屋根の頂上部分につけられている金属製の屋根材。
棟板金は屋根下地にクギでとめられています。棟板金が気温の変化で膨張収縮を繰り返していくうちにクギが抜けていきます。
そこへ強風が吹き付けると、棟板金が飛ばされてしまうのです。
さきほどの雨樋の修理同様、屋根の修繕にも足場の設置が必要になるので、
その足場を外壁塗装に利用することで、10万円以上はお得に。
火災保険の保険金申請に必要なもの
まずは、あなたの住まいで加入している火災保険を確認してください。火災保険の契約内容によって適用範囲がかわってきます。
保険金の請求書・事故内容の報告書
保険金を請求するための書類である「保険金請求書」と
住まいが事故にあった原因、状況を説明するための書類「事故内容の報告書」が必要。
この2つの書類は契約している保険会社から入手することができます。
お住まいが事故にあった場合、まずは保険会社に電話やインターネットで連絡。
保険証券番号、契約者氏名などが必要になるので、保険証を手元に用意しておくとスムーズにいきます。
保険会社に事故の報告をすると、後日、保険金請求に必要な書類が送られてくるので必要事項を記入。または、WEBサイトの専用フォームで入力。
保険会社によっては必要書類がサイトよりダウンロードできるようになっているところもあります。
修繕が必要な箇所の見積書
「事故の程度や修繕費用がどれくらいかかるのか」を報告するために業者の見積書が必要。
見積もり調査を依頼する業者は、今回の場合は外壁塗装の業者。
工務店やリフォーム会社、ハウスメーカーも対応してくれますが、
外壁塗装を行う予定であれば、外壁塗装の業者に見積り依頼することで、工事完了までスムーズにすすみます。
外壁塗装の業者でも雨樋、屋根などの修繕にも対応しているところが多くあります。
火災保険に対応している地域業者がわからない場合は、一括見積りサービスで紹介してもらってください。
一括見積りサービスって? 外壁塗装の一括見積サイト比較!プロがすすめる見積サイト3選!
被害をうけた箇所画像
保険金を請求するために、被害箇所の画像が必要になります。
保険会社が、どの程度の被害状況なのか知るのに画像の提出は当然とも言えるでしょう。
事故を装って保険金を請求する詐欺行為を防ぐのにも画像は役立ちます。
損傷の状態がよくわかるように撮影することがポイント
写真は一枚だけでなく、被害を受けた建物全体、被害箇所をアングルをかえて撮影するなど、複数枚用意します。
写真は自分で撮影する必要は、ありません。見積もりを依頼する業者にまかせましょう。
損傷箇所の撮影にはハシゴや脚立などの足場が必要な高所である事が多いので、安全面でも自分でおこなうより業者に任せたほうが安心ですね。
一戸建ての外壁塗装を火災保険で安く行う7つの手順
- 被害の状況を保険会社に連絡する
- 業者へ見積もり依頼をする
- 保険金請求に必要な書類を提出
- 被害状況の確認
- 保険金の振り込み
- 業者に連絡して修繕工事着工
- 外壁塗装工事
- 完了
このような流れで火災保険を利用して外壁塗装をお得に行うことができます。
各項目について、雨樋が破損した場合を例にとって解説します。
1.保険会社に連絡
保険会社に連絡して伝える内容は、
・火災保険の契約者氏名と保険証券番号
・雨樋が被害を受けた日時、原因、状況など
・保険金の使用目的(雨樋の修繕費用)
ポイントとしては被害状況(損害箇所、日時、事故状況など)をスムーズに報告できるようにしておくこと。
時間の経過とともに記憶が曖昧になっていくので、早めに保険会社に連絡を。
連絡の方法としては、電話連絡、保険会社のサイトからの連絡があるので、あなたが良いと思う方でかまいません。
2.外壁塗装の業者へ見積り依頼をする
保険金の請求には、業者の見積書が必要。雨樋の修繕の場合、連絡する業者は
・地元の工務店
・ハウスメーカー
・リフォーム会社
・地域の板金業者
・地域の外壁塗装業者
雨樋の修繕費用を利用して外壁塗装を行いたい場合は、割安で高品質な工事が行う地域の塗装業者がオススメ。
外壁塗装と雨樋の修繕、取替はセットで行われる事が多い工事なので外壁塗装業者でも雨樋の修繕に対応しているところがあります。
そのような業者を探すには一括見積りサービスの利用が簡単で便利。
外壁塗装の一括見積もりサービスでは、雨樋の修繕に対応できる地域の外壁塗装業者を無料で紹介してくれます。
火災保険にも対応可! 外壁塗装の一括見積サイト比較!プロがすすめる見積サイト3選!
3.必要書類の提出 4.被害状況の確認
インターネットや郵送で必要書類を提出すると、保険会社がそれをもとに審査し支払う保険金額を決定。
被害状況の確認は、提出した被害箇所の写真のみで判断される場合と、被害があった箇所を確認するために調査員が実際に現場にくる場合があります。
わたしの体験では、雨樋修繕の場合、調査員がくるような事はごく稀。
5.保険金の振り込み
保険会社の被害状況の確認がおわり、問題なければ指定した口座に保険金が振り込まれます。
火災保険の請求が完了してから、口座に保険金が振り込まれるまでは、原則30日以内なので、多くの場合3週間~4週間くらいで保険金が支払われます。
ただし、損害にかかる工事費用が高額になり、その事故が保険適用の範囲内にあるかどうか判断が難しような状況の場合、支払い期間が延長される事もあります。
6.業者に連絡 7.外壁塗装工事
無事に火災保険金が口座に振り込まれたら、見積もりを依頼した業者に連絡して工事の日程を調整します。
雨樋の修繕と外壁塗装を一緒に行う場合のおおまかなながれは、
足場の設置→高圧洗浄→雨樋撤去→外壁塗装→新規雨樋とりつけ→足場解体
塗装職人直伝! 手抜きは許さない!必見!これがプロの外壁塗装の作業工程だ!
雨樋を火災保険で修繕する場合多くの場合、既存の雨樋の部品が存在しない事を理由に、雨樋を新しいものに取り替えます。
雨樋を新しいものに取り替えなかった箇所は外壁塗装時に塗装してもらえます。
雨樋は新品!外壁はピカピカ!という状態が火災保険を利用することでお得に実現!
スムーズに行うには、見積もりを頼む業者にかかっているので、業者えらびは専門サービスを利用することをおすすめしておきます。
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火災保険を請求するときの注意点
住まいに万が一の事故が起きた場合の火災保険ですが、保険金を受取るためにはいくつかの注意点があります。
これらの注意事項に反する場合、保険金が受け取れないことも…
・当然なのですが、火災保険の契約内容の範囲外の事故であれば保険金は支払われません。
・勘違いしやすい例:
地震で住まいが火災にあった場合に保険金を請求するには地震保険加入している必要があります。
火災保険単体では、地震による火災に対応していません。
・事故の報告は速やかに行う必要があります。住まいが被害にあってから時間が経過していくと、被害にあった状況があいまいに。
はっきりとした事故状況を保険会社に報告するためにも、すみやかに保険金請求に向けて行動してください。
そもそも、保険金が請求できるのは、事故が起こってから3年以内と保険法という法律できめられています。
・免責金額とは事故の際に自己負担する金額のこと。
冒頭にお伝えしたとおり契約している火災保険の免責金額を下回る事故の場合、保険金は支払われません。
免責金額は設定することによって保険料が安くなるようになっているので、設定される方も多くいらっしゃいます。
5万円の免責金額を設定していた場合、50万円の修繕費用であれば、45万円が保険会社から支払われ5万円は自己負担。
5万円の免責金額で、4万円の修繕費用だったとるすると、免責金額以下になるので保険金は支払われません。
(例)火災保険の免責金額が5万円の場合 | |
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被害額 |
受け取れる保険金
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4万円の場合 | 0円 |
10万円の場合 |
10万円(被害額)ー5万円(免責金額)=5万円
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50万円場合 |
50万円(被害額)ー5万円(免責金額)=45万円
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実録詐欺!火災保険を悪用する外壁塗装業者
大雪が降ると雪の重みで雨樋が垂れ下がってしまう事がよくあります。
このような場合、火災保険の補償対象となります。
そのことを悪用して保険金をだましとる業者がいます。
雨樋をはしごを使って、業者が力づくで捻じ曲げ、あたかも大雪で雨樋が垂れ下がってしまったような状態に。
それを写真におさめ火災保険を申請するのです。
これは完全に詐欺行為!
このような事を行う業者に外壁塗装を依頼しても、良い結果が得られないのは目に見えています。
悲惨! 外壁塗装は手抜き工事が頻発!?プロが伝える手抜き塗装の手法
火災保険申請代行会社について
火災保険の申請が面倒に感じる人も多くいらっしゃいます。そこにつけこんだサービスが「火災保険申請代行」
代行業者は火災保険を利用した工事を受注するだけの会社なので、工事にあたるのは下請け業者。
代行業者の中間マージンが高額な傾向なので肝心な修繕工事が手抜きになることも。
火災保険の申請は、むずかしいものではないので、代行業者を利用するメリットは、ほぼないといっていいでしょう。
まとめ:火災保険で一戸建ての外壁塗装が安くなるのは本当だった!
一戸建てにお住まいの方の多くは火災保険に加入されています。
火災保険とは建物が火事にあったときだけでなく、さまざまな事故に対応。
住まいに万が一の事故があった場合、保険会社から補償金が支払われます。
その補償金を利用して外壁塗装がお得に。ポイントは足場費用。
保険金の申請には業者の見積書が必要になります。
外壁塗装を行う予定であれば外壁塗装の業者に依頼することで火災保険の申請から破損箇所の修繕、外壁塗装までスムーズに。
火災保険に対応した業者に見積、調査をいらいするのであれば地域の塗装業者がおすすめ。
そのような地域の業者とお付き合いのない方は「一括見積りサービス」の利用が便利。
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