「破風板のペンキがはがれてきて、ちょっと近所の目が気になる…」
「破風板の塗装って自分でもできるのかな??」
わたしはこれまで300棟以上の一戸建ての外壁塗装を自信の手で行ってきた経験があります。外壁塗装の際には必ずといっていいほど破風板の塗装も行います。
破風板は紫外線や雨風の影響を直接うけるので劣化しやすい部分。
ペンキがはがれたまま放置しておくと防水性を損なわれた破風板は劣化が進行。
劣化がすすむと破風板を交換する大工工事が必要になることもよくあります。
破風板交換などの大掛かりな工事にならないようにするために定期的な塗装によるメンテンナンスは非常に有効です。
そんな破風板の塗装ですが、DIYでおこなう事はおすすめできません。現在、塗装がはがれている破風は足場がないと作業ができない場所にあるのではないでしょうか?
ハシゴや脚立をつかってなれない塗装作業を行うの危険。
破風板塗装はプロに依頼することをおすすめします。
そもそも破風板とは
建物の側面三角部分、屋根の先に取り付けられた板を破風板と呼びます。おなじ板に雨樋が取り付けられている箇所は「鼻隠し」
実際の塗装現場では、まとめて破風と呼ぶこともしばしば。
破風の役割は雨風の対策と防火。
破風板には木製、窯業系、金属系などの種類があり、塗装方法に若干の違いがある。
破風板ってDIYで塗装できる?
ペンキのはがれた破風を自分で塗装したいと考える方もいるでしょう。
しかしながら破風板塗装DIYはおすすめできません。
破風板を長くキレイに保つためには定期的な塗装が必須。自分で塗装すれば費用も安く業者に依頼する手間も省けるのは間違いありません。
10年サイクルで外壁塗装をしていたとしても破風の塗装は10年持ちません。次回の外壁塗装まで破風の劣化を放置できない状態になっている事もあります。
きっとあなたのご自宅の破風板もそうのような状態でしょう。
ペンキがはがれているは破風板は手の届かない場所ですよね?
破風の塗装と言ってもペンキを1回ぬって終わりではありません。いくつかの工程があります。
DIY塗装ではハシゴや脚立を使っての作業になるでしょう。なれない作業を高所で行うことは危険。塗装のプロで高所から転落することがあるのです。
大切な人生がケガで台無しにならないように、破風板塗装は業者に依頼してください。
木製破風板の塗装方法
木製の破風は塗装がはがれてしまった状態では防水性がありません。破風に雨が染み込み劣化しやすい状態に。
そのまま放置しておくと劣化が進行して破風を交換する作業が必要になってきます。そうなると費用もかさむため、早めに塗装で対処しておくことが大切。
- ケレン作業
- 下塗り
- 中塗り、上塗り
1.ケレン作業
画像は鼻隠し。
はがれた塗膜を皮スキなどで撤去、サンドペーパーで表面をととのえます。このような作業を「ケレン」と 呼びます。
はがれていない旧塗膜部分にも、しっかりサンドペーパーをあてて細かいキズをつけておきます。そうすることで細かい傷に塗料が入り込み塗料がはがれにくくなります。
塗装ではこのような下地処理が大切。下地処理をシッカリおこなわないと、すぐに塗膜がはがれる原因に。
ケレンが終わったら破風の表面についたホコリをとりさります。
2.下塗り
木部専用の下塗り塗料を破風全体に塗っていきます。下塗りの役割は「上塗りの吸い込みどめ」「上塗りの密着性の向上」
破風板の塗料がはがれてしまっている部分は木がむき出し。木に直接、上塗り塗料を塗ると粒子が細かい上塗り塗料は木に吸い込まれていきます。
それを防ぐために粒子の粗い下塗り塗料を塗装しておきます。そうする事で中塗り、上塗り作業がスムーズに。
破風板の劣化状態によっては下塗りを複数回塗装。
3.中塗り、上塗り
下塗りが乾いたら表面にサンドペーパーをあてて、中塗りを塗装。中塗りの乾燥をまって上塗りを塗装して完成。
下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りが基本になりますが、状況によって4回以上塗っておくことで塗装が長持ちします。
窯業系破風板の塗装方法
おもにサイディングの建物に使用されている窯業系の破風板。窯業系の原材料は主にセメントと繊維質。 そのため水に弱いので塗装によって防水性をもたせています。
窯業系破風板の塗装工程は木製破風と同じ。
ことなる点は使用する下塗り塗料。窯業系に適した下塗り塗料を使用します。
金属系破風板の塗装方法
木製の破風板はメンテナンスが大変なので上から板金をかぶせることで対処。木製の破風と比較すると劣化しづらく、塗膜もはがれづらいので長期にわたって美観を維持できます。
金属製の破風は外壁塗装を行う際に一緒に塗装しておけば十分。窯業系破風にも同じことがいえます。
外壁塗装のサイクル! 外壁塗装が10年と言われる理由!10年周期には塗料劣化が関係!?
1.金属製破風にサンドペーパーで細かいキズをつけて塗料の密着をよくする
2.エポキシ樹脂系の下塗りを塗装
3。中塗り・上塗り
破風板の塗装に向いている上塗り塗料とは
破風の材質、状況によって塗料を選択する場合もありますが、基本的には上塗り塗料は木製、窯業系、金属系は同じ塗料で問題ありません。
塗料にはグレードがあるのですが、あまり高グレードの塗料を使用しても費用がかさむので、コストパフォーマンスで考えると2液型弱溶剤ウレタン系の塗料が破風板の塗装に向いています。
グレード | 耐用年数 | 施工単価/㎡ | 代表的な塗料名称 【ニッペ】日本ペイント 【カンペ】関西ペイント |
---|---|---|---|
アクリル系 | 5~7年 | 1,200~1,600円 |
【ニッペ】ケンエース、オーデグロス
【カンペ】アレスアクアグロス 【エスケー】水性コンポアクリル、プリーズコート |
ウレタン系 | 8~10年 | 1,800~2,200円 |
【ニッペ】水性ファインウレタンU100
【カンペ】アレスアクアレタン、セラMレタン 【エスケー】クリーンマイルドウレタン |
シリコン系 | 10~15年 | 2,500~3,000円 |
【ニッペ】ファインシリコンフレッシュ、ハナコレクションシリーズ、サーモアイSi
【カンペ】セラMシリコンⅢ 【エスケー】クリーンマイルドシリコン、クールタイトSi、ヤネフレッシュSi |
ラジカル制御 | 12~15年 | 2,500~3,000円 |
【ニッペ】パーフェクトトップ
【カンペ】アレスダイナミックTOP 【エスケー】エスケープレミアムシリコン |
フッ素 | 15~20年 | 3,500~4,800円 |
【ニッペ】ファイン4Fセラミック、サーモアイ4F
【カンペ】セラMフッソ 【エスケー】クリーンマイルドフッソ、クールタイトF 【AGCコーテッック】ルミステージ |
光触媒 | 15~20年 | 4,200~5,000円 |
【ピアレックス・テクノロジーズ】ピュアコートANプラス
|
無機塗料 | 20~25年 | 4,500~5,500円 |
【ニッペ】ダイヤモンドコート、アプラウドシェラスターNEO
【カンペ】ムキフッソ 【エスケー】セラミタイトペイント、スーパーセラタイトF 【アステックペイント】無機ハイブリッドコートJY、スーパーシャネツサーモF |
失敗しない破風板の色とは
破風の色ですが基本的に、今の色に近い色にしておけば失敗がありません。あとはサッシの色に近い色、雨樋の色と合わせた色。
奇抜な色を破風に塗装したい方もいらっしゃいます。しかしながら、鮮やかな色ほど色あせがはやくなります。派手な色にするとまわりの景観を損ねる可能性も。
焦げ茶、クリーム、黒、ベージュあたりが無難ですね。
色って難しい… 外壁塗装の色選びは悩ましい…プロがそっと教える色選びのコツ
破風板の塗装費用っていくら?
破風板の塗装は
破風の長さ×塗装単価/m
で計算されます。
塗装単価は業者によってちがいますが1,000円前後が妥当でしょう。
破風の長さが10mだとすると
破風の長さ10m×塗装単価1,000/m=10,000円
となります。
実際に破風塗装だけ業者に依頼した場合、この費用に諸経費が含まれることがほとんど。
安く依頼したいのであれば前回外壁塗装を依頼した業者に連絡してください。
破風板の塗装は外壁塗装時にしっかりやっておく!
破風板は紫外線、雨風の影響をダイレクトにうけるので劣化しやすい部分。外壁塗装の時にしっかり塗装しておいて次回の塗り替え時期である10年後までもたせたいところ。
破風板塗装だけ業者に依頼すると割高になるので、もし外壁塗装の時期にきているのであれば思い切って外壁塗装を行ってください。
外壁塗装は10年サイクルが理想。破風がひどく劣化している状態であれば、他の部分の劣化も考えられます。
もし、はじめての外壁塗装であれば、地域の業者をオススメします。やすくて高品質な塗装が望めるからです。
そのような地域の塗装屋さんを無料で紹介しているサービスもあるので塗装業者と付き合いのない方は利用してください。
業者紹介サービスについては下の記事をごらんください。
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